高崎山自然動物園で忘れてはならないのが、伝説の名誉ボス(αオス)であるベンツです。
身体が大きくて丈夫なことから命名されたベンツ。
そう、あのメルセデスベンツからとられたのです。
高崎山自然動物園にはベンツの銅像もありますし、いまだポスターも貼っています。
いかに高崎山名誉ボス(αオス)ベンツが人気があったのかがうかがえます。
それでは、ベンツが高崎山伝説の名誉ボス(αオス)と言われる理由、そしてベンツの恋について書いていきたいと思います。
ベンツに興味ある人も、ベンツに乗りたい人も最後までお読みいただくと嬉しいです。
目次
●伝説の名誉ボス(αオス)、ベンツ!恋の相手は年上のリズ!
1987年最年少の推定9歳でB群のαオスになる。
しかし、ベンツはC群のメスザル(リズ)に恋をしてしまったのです。
このときリズの年齢は、人間でいうところの推定70歳代(高崎山スタッフさん談)。
ベンツは同じく人間でいうところの推定30代。
ベンツが恋焦がれるくらい、きっとリズはとても魅力的だったんでしょうね。
このリズへの恋をきっかけにベンツはB群を追われC群に行くのですが、もちろん最下位からのスタートです。
恋するリズと仲良くしていたのに、落ちぶれてしまったベンツを相手にすることのなかったリズ…。
恋人リズに裏切られなんて、つらかったねベンツ。
これはなんだか人間の世界でもありそうですね。
●高崎山C群10年でナンバー2へのし上がるベンツ
1990年C群に移ったベンツは、最下位からのスタート。
B群でαオスだったことなど関係ありません。
他のC群の猿に追い払われたり、喧嘩を繰り返す日々を送っていたベンツ。
しかし当時幹部だったライバルであるサイジョーは、そんなベンツを見かねてか手を差し伸べる。
そこからようやくC群でのまともな生活が始まります。
そんなベンツは本来の力を発揮し、2000年にはC群でナンバー2になることとなります。
C群に移って10年間、ナンバー2になるまでベンツはどんな思いで過ごしていたのでしょうか?
ベンツの仲間を束ねる力量もあったとは思いますが、時間をかけて努力し仲間の信頼を得てナンバー2になるプロセス。
これは人間も見習うべきところではないのでしょうか?
当時のC群αオスはゾロ。
最近ニュースで聞いたこともあると思いますが、天寿を全うしたゾロメのお兄さんでもあります。
そんなαオスを支えるナンバー2のベンツ。
このポジションが入れ替わるのに更に歳月が流れます。
高崎山ベンツについてのWikipedia
https://ja.wikipedia.org/wiki/ベンツ_(ニホンザル)
●高崎山a群を消滅させたベンツの伝説の理由
当時最大勢力の高崎山a群を消滅させたベンツ、伝説と言われる理由がスゴイです。
2001年から2002年には、その最大a群との抗争の中心となったベンツ。
ここから高崎山a群消滅の道が始まります。
そ
して、高崎山ベンツの伝説の誕生でもあります。
その理由を書いていきます。
猿寄せ場には、他の群と被ることのないのが高崎山猿のルール。
a群はこれを無視していたのです。
ベンツが、そんなa群に腹を立てる理由も理解できますね。
「お前ら(a群)絶対に消滅させてやる」(ベンツの心の声を推測)
猿寄せ場にて、歯をむき出したった1匹でa群に立ち向かうベンツ。
当時の抗争を、高崎山スタッフの方はこう語っていました。
「この猿寄せ場はa群猿の悲鳴が響き、ものすごい土ぼこりが舞っていました。
そして、ベンツを見ると恐怖におののいていました。」
いかにものすごい乱闘劇があったのか?
これが、あの高崎山のベンツの伝説と言われる理由か!
怖いもの見たさもあり、見れなかったのが残念です。
そして最大勢力だったa群は、その後猿寄せ場に姿を見せなくなりました。
高崎山スタッフの方のお話によると、a群は分散しとうとう消滅してしまったとのことでした。
高崎a群を消滅させたベンツ、伝説と語り継がれる理由も納得ですね。
そして仲間の信頼を厚くしたのは言うまでもないですね。
事実上、ベンツが高崎山C群のボスのような気もしますが、これも高崎山猿のルールのひとつだと思います。
序列を守る(※例外もあり)
ベンツが高崎山名誉ボス、伝説と言われるのはここにも理由があると思っています。
●高崎山C群のαオスになるベンツ
そして、とうとうこの日がやってきました。
2011年2月、高崎山C群第9代αオスに就任したベンツ。
前任のゾロが1ヶ月も姿を見せない。
これは高崎山自然動物園の慣例に従い、ゾロは高崎山に還ったとみなされます。
高崎山C群第9代αオスに昇りつめたベンツ。
高崎山B群、C群共にボス(αオス)になったのは、高崎山史上初のベンツ。
このとき高崎山C群ボス(αオス)ベンツの就任式も行われています。
ベンツがC群に移ってから既に20年以上経過。
まさに苦節20年というところでしょうか。
●子猿を抱っこするベンツの写真
高崎山自然動物園おさる資料館にて、ベンツが子猿を抱っこする写真を観ました。
通常、オス猿が子猿を抱っこすることはないということなので、とてもレアな写真でした。
高崎山の猿寄せ場でA群と乱闘するベンツ、リズに恋するベンツ、そして子猿を抱っこするベンツ…。
なんか人間ぽくないですか?
猿に人間ぽいというのもおかしいのですが、ちょっと羨ましくもあり尊敬の念もあります。
私たち人間は、どうやら守りの姿勢で生きているのではないか?
それは悪い事でもないし、大多数がそうだと思います。
むしろ、そうしないとやっていけない部分でもあります。
しかし、ベンツは自分の意のまま生き、その結果、人間にも猿にも多くの影響を残しました。
ベンツが高崎山名誉ボス(αオス)とたたえられる理由を考えると、私たち人間は見習うことの多さに気付きます。
今ではベンツもゾロや他の猿同様、自然の摂理により高崎山の一部となり仲間たちを見守っていることでしょう。
この気持ちを忘れないように、帰りにベンツのクリアファイルを2枚買いました。
200円×2=400円
部屋に貼って飾って眺めています。
ベンツ、また高崎山に会いに行きますね。