おろそかにするという意味で使う『おざなり』と『なおざり』という言葉がありますが、違いがわかりますか?
私は『おざなり』しか使ったことがなく、『なおざり』を使う場面がいまひとつわかりませんでした。
今回、知人が『あの人にはなおざりにされて…』という言葉を使っているのを聞いて、
「ん?それは『おざなり』じゃないの?」
と思ってしまったんです。
そのせいか、うんうんと話を聞くだけであまり意見を言えなかったのです。
これではいけないと思い、ちゃんと理解するために記事にしてみようと思いました。
それでは『おざなり』と『なおざり』のおろそかにするの意味の違いや語源、使う場面を調べてみましょう。
目次
●『おざなり』と『なおざり』の漢字や語源は?
ここでは『おざなり』と『なおざり』の漢字や語源について書いていきます。
まず『おざなり』の漢字ですが『御座なり』と書きます。
『おざなり』の語源が江戸時代の芸者衆が、客によって接し方を変えたり取り繕う言動の隠語として使われてきたことから、いい加減でその場しのぎという意味を表します。
そして『なおざり』の漢字が『等閑』と書きます。
『なおざり』が気に留めないというのが、語源というか元であり、何もしない、関知しないという意味になります。
『おざなり』と『なおざり』はおろそかはおろそかでも、物事への関わり方でおろそかの度合いが違うということです。
『おざなり』は適当にこなしていて、『なおざり』は全く何もしないということですね。
語源から考えても、意味は全然違いますよね。
結構、違いがわかってきました。
これから違いがわからない言葉は、漢字や語源を調べると理解できそうなことに気付きました。
以上が、『おざなり』と『なおざり』の漢字や語源は?についてでした。
●『おざなり』と『なおざり』の例文をいくつか考えてみました
『おざなり』の例文
⦁ 自分磨きを『おざなり』にしていたせいで、すっかり女子力が低下してしまった。
⦁ 食事を『おざなり』にした結果、体調を崩してしまった。
⦁ 『おざなり』な仕事をすることで、自分が困ることになってしまった。
『なおざり』の例文
⦁ 面倒な事を『なおざり』にする彼は、いつも他人任せでとうとう信用を失ってしまった。
⦁ 苦手な数学を『なおざり』にしていたので、取り返しがつかないくらいわからなくなってしまった。
⦁ 私は人間関係を『なおざり』にしてきた。しかし窮地に立たされた私を助けてくれる人がいて、今までみんなにしてきたことを心から悔いた。
いかがでしょうか?私が考えた『おざなり』と『なおざり』の例文は?
でも読み返してみると、どの例文も『おざなり』『なおざり』の両方どちらにも使えそうですね。
結局、使う人の思いや考え方で使い分けていくのではないのでしょうか?
最後に書いた例文で言うと、『おざなり』ならどういう意味になるか?
人間関係を適当に表面上の付き合いをしてきた。
そのため窮地に立たされたとき、私の元を多くの人が離れていった。そしてそれでも私を助けてくれる人がいたことに、今までの自分を心から悔いた。
『なおざり』ならどうでしょう?
人間関係を一切関知してこなかったため、窮地に立たされた私を助ける人たちはいなかった。しかしそんな私を助けれくれる人がいた。
私は今まで煩わしい人間関係から遠ざかったっていたが、それを改めて考えるきっかけとなり、今までの私の人間関係のあり方についてを悔いた。
以上が私なりの解釈ですが、『なおざり』の方が後悔が大きそうですね。
考え方が180度変わったくらいの印象です。
やはり『おざなり』は適当にやってきた、『おざなり』は全く関わってこなかったの違いですね。
●『なおざり』にしていたことをやっと解決!
今回『おざなり』と『なおざり』の違いを解決することができ、やっとスッキリしました。
これなら堂々と使えますし、もし誰かが使っても意見が言えます。
私はこれまで漠然と疑問に思いながら、この件を『なおざり』にしていました。
調べている途中で『おざなり』にならないように、納得するまで調べることができて賢くなったような気がします。
どうでしょうか?
こんな使い方であってますか?